はじめに
春になると花粉症に悩まされる方が多くなります。
くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの一般的な症状だけでなく、実は花粉症が原因で身体の不調が引き起こされることをご存じでしょうか?
本記事では、理学療法士の視点から花粉症による身体の弊害と、その対策について解説します。
花粉症による身体への影響
花粉症が引き起こすのは、アレルギー反応による鼻や目の症状だけではありません。
以下のような身体の不調が生じることがあります。
- 呼吸の乱れと姿勢の悪化
- 鼻づまりにより口呼吸が増えると、横隔膜の動きが悪くなり、浅い呼吸になりがちです。
- 口呼吸の影響で猫背姿勢になりやすく、首や肩の緊張が増します。
- 口呼吸は口内の乾燥を引き起こし、細菌の繁殖を助長するため、口臭や喉の炎症の原因にもなります。
- 首・肩こりの悪化
- 目のかゆみで頻繁にこすることで、眼精疲労や首・肩周りの緊張が増加します。
- 鼻づまりが続くと、無意識に口を開けて呼吸し、顎や首の筋肉に負担がかかります。
- 花粉症の影響で鼻をすする回数が増えると、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすこともあります。
- 自律神経の乱れ
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- 花粉症による不快感がストレスとなり、自律神経が乱れやすくなります。
- 夜間の鼻づまりやくしゃみにより睡眠の質が低下し、疲れが取れにくくなります。
- アレルギー反応によるヒスタミンの分泌が過剰になると、全身の倦怠感や集中力の低下を招きます。
理学療法士が提案する花粉症対策
花粉症による身体の不調を和らげるために、理学療法の視点から実践できるアプローチを紹介します。
① 呼吸の改善
・横隔膜を使った深呼吸
- 鼻から息を吸い、ゆっくり口から吐く(吸う時間より吐く時間を長くする)。
- 腹式呼吸を意識し、お腹が膨らむのを感じながら行う。
- 胸式呼吸ではなく、腹式呼吸を行うことで副交感神経を刺激し、リラックス効果を得ることができます。
・口呼吸を防ぐテーピング法
- 夜寝るときに、医療用の口テープを軽く貼ることで、口呼吸を防ぎやすくなります。
- 口呼吸が減ることで、唾液の分泌が促され、喉や口内の乾燥を防ぎ、免疫機能を高めることができます。
② 首・肩こりのケア
・目元や首の温熱療法
- 蒸しタオルを目や首元に当てることで、筋肉の緊張をほぐし血流を促進。
- 就寝前に温熱療法を行うことで、副交感神経が優位になり、寝つきが良くなります。
・簡単なストレッチ
- 首をゆっくり横に倒してストレッチ。
- 肩甲骨を意識した肩回し運動。
- 胸を開くストレッチで猫背を防ぐ。
- 頭を両手で支えて前に倒すストレッチを行うことで、首の後ろ側の筋肉を伸ばし、凝りを軽減。
③ 自律神経を整える習慣
・朝の光を浴びる
- 朝日を浴びることで、体内時計を整え、自律神経をリセット。
- 朝日を浴びるとセロトニン(幸せホルモン)が分泌され、ストレス軽減や集中力アップにつながる。
・軽い運動を取り入れる
- 散歩やストレッチ、ヨガなど、無理のない範囲で身体を動かす。
- 軽い運動を行うことで血流が促進され、ヒスタミンの代謝がスムーズになる。
- 特に鼻呼吸を意識したウォーキングや軽いランニングは、鼻づまりを緩和する効果が期待できます。
④ 花粉対策の豆知識
・花粉症対策マスクの正しい着け方
- マスクの上部を鼻の形にフィットさせ、隙間を減らす。
- マスクの内側に濡れたガーゼを入れると、湿度が上がり花粉が侵入しにくくなる。
★意外と盲点な花粉対策
- 花粉は髪の毛や衣服に付着しやすいため、帰宅時には玄関先で衣服を払う。
- 室内に入る前に、顔を水で洗うだけでも花粉の影響を減らせる。
- 花粉症対策として「ヨーグルトを食べる」習慣が推奨されるが、特定の乳酸菌(L-92株やLGG菌)が効果的であることが知られている。
まとめ
花粉症の影響は鼻や目の症状だけでなく、呼吸や姿勢の悪化、首・肩こり、自律神経の乱れにもつながります。
理学療法士の視点から、呼吸の改善・ストレッチ・生活習慣の見直しを取り入れることで、快適な春を過ごしましょう!
また、花粉対策の豆知識も活用し、日常生活でできる限りの予防を心がけてください。小さな積み重ねが、春を快適に過ごす鍵となります。